界面活性剤とは

[そもそも界面って?]

ウイスキーや焼酎などのアルコールに、水を入れるときは混ざりますが、油を入れると交じり
合わず、油が上、アルコールが下と上下に分かれます。
この2つの物質の境目を「界面」と言い、これは「アルコール」−「油」、つまり「液体」−
「液体」の場合だけではなく、「気体」−「気体」、「気体」−「固体」、「液体」−「固体」
の境目も同様に界面と言います。但し、「気体」−「固体」や「気体」−「液体」の場合は、
その境目を一般的には表面と言うことが多いと思います。
この界面に働きかけて、「界面張力」(界面をできるだけ縮めようとする力)を低下させる物質を
「界面活性物質」と言います。

[界面活性剤の登場と普及]

身体や顔を洗う洗浄剤を始め、洗濯用の洗剤や食器洗い用の洗剤まで、私たちのまわりには
「泡で汚れを落とす」洗浄剤が数多くありますが、この洗浄剤は、大きく2種類に分けられます。
そのひとつが石けん。そして、もうひとつが界面活性剤です。石けんはもともと偶発的に発見
された自然界の産物を人間が忠実に再現しているに過ぎないものである一方、界面活性剤は
人工的に作り上げられたものという、大きな違いがあります。さらに、石けんはベースに動物や
植物など自然界にあふれた油脂を用い、それに苛性ソーダや苛性カリなど、やはり自然界の
アルカリを加えて、自然の気圧、つまり常圧下(1気圧)で作られます。使われる原料や作られる
環境、何れも自然界に存在する条件下で製造されるのです。一方、界面活性剤は石油(一部動植物
やアミノ酸など)をベースとして使用し、多種類の合成助剤を加えて高圧下で作られています。
場合によっては、50気圧という非自然的な圧力をかけて製造されるのが界面活性剤です。最近
では、界面活性剤から作られる「合成界面活性剤」は洗濯洗剤や台所洗剤くらいにしか使われて
おらず、肌を洗う洗浄剤に使用されるのは「植物性界面活性剤」や「アミノ酸系界面活性剤」と
呼ばれるものが中心となってきました。
しかし、石油系の「合成界面活性剤」と植物由来の「植物性界面活性剤」はどの程度違うので
しょうか。以下にそれぞれの代表的な界面活性剤を記しました。
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
この2つの界面活性剤ですが、上段が「合成界面活性剤」で、下段が「植物性界面活性剤」と言わ
れるものです。この2つの違いは中央部に書かれている「アルキル」と「ラウリル」、ほんの一部分
の違いに過ぎません。「アルキル」という石油から採られる原料を使っているのか、ヤシ油から
採られる「ラウリル」という原料を使っているのかの違いで、合成か植物性か区別されている
のです。しかし、それ以外に使われている「ポリオキシエチレン」も、「エーテル」も全て石油系
の原料で作られています。「ラウリル」だけが植物由来だからという背景のみで植物性界面活性剤
といわれているのが現状です。もちろん、この2つの界面活性剤の機能や目的、毒性などに違いは
殆どありません。